Add 機械の子供
2006年4月末発売の隔月刊行スニーカーに掲載された短編です。
いわゆる連休進行で、ちょっと大変だった記憶があります。
そして、今までと変わらず「長編未読者のための内容を」というのが第一コンセプトのため、またあれこれ四苦八苦しています。
コンセプトとしては、そのものずばり「ロボットの子供」ですね。作中でも書かれているとおり、心身ともはじめから成熟した状態で生まれてくることができる無機人たちがわざわざ子供として生まれる必要があるのか? ってことです。
……今にして思えば、というか当時から「短編で収まるテーマじゃないだろう」と思ってはいました。下読みしていただいた友人作家各位にも同じようなことをきっぱりと言われました。けど、まあ、思いついたら、それが面白そうだと思えば、全力でやるのが作家の責任ではないかなあ、と思います。では、以下、登場人物解説です。
フジノモリ=オサム
その名前や 「ベレー帽」、「マンガの皇帝」、「あらゆる物語は彼にやり尽くされた」などという評価から分る人には分るか思いますが、モチーフは教科書にもその名を乗せている(僕の時代は載ってました。今はどうなんでしょうね?)天才漫画家手塚治虫です。ちなみにATOKだと「治虫」って普通に変換されます。名だけでなく名字も往古の巨匠たちからいただいています。
フジ → 藤子不二雄(ドラえもん、オバケのQ太郎など、パーマンなど)
ノモリ → 石ノ森章太郎(仮面ライダー、サイボーグ009、HOTELなど)
オサム→ 手塚治虫(鉄腕アトム、ブラックジャック、火の鳥など)
などなど代表作を並べていくと錚々たるラインナップになります。未読の作品があったら是非一度手を出してみてください。特に初期の作品は、今の週間連載マンガなどと比べると絵が多少(場合によってはかなり)古いのは確かですが、それを補ってあまりある作品だと思います。
フジノモリ=ミツテル
父親は名前だけであまり出てきませんが、こっちは色々と目立ちます。ある意味、人類には誰にも応えることができない質問をいきなり投げかけられた、ある意味かなり良い迷惑な子供です。幸福を構成する要素の中には、確かに「何も知らないこと」が含まれるんだなあ、と思わされました。ちなみに、
ミツテル → 横山光輝(三国志、鉄人28号、魔法使いサリー)
です。これまた上述の三名に勝るとも劣らない巨匠です。
デカ
人じゃないですが。犬ですが。しかも最初は「全身機械化犬と見せかけて実は人が操作している超精巧なAIB●」という超展開でした。しかも、そのサイズはライオンとかじゃなくて象並という完全に場違いな存在でしたが。
さすがにそれはやり過ぎだろうと思って今のようになりました。でも、「無意味にでかい動物を出す」というプチ野望が達成されたので満足です。
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